EDの放置は断固NGです!

ED、つまり勃起不全は男性にとって由々しき問題です。
性機能が十全に果たせない、ということはそれだけでも生活の質を低いものへと変えてしまいます。
しかし、性機能が落ちることだけがEDの問題点ではありません。
心因性や薬剤性EDを除く多くの場合、勃起不全の背景には血管性や神経性の障害が潜んでいることが多いのです。

EDを放置することはすなわちこういった背景にある疾患を放置することと同義ですので、全く推奨されたものではありません。
EDとなる危険性は動脈疾患にもあります。

一般に動脈疾患として有名な動脈硬化、専門的な言葉で言えばアテローム性硬化症です。
高血圧や脂質異常症を背景とし、動脈が硬く柔軟性に欠けるものになってしまうことで様々な障害が発生する動脈硬化症ですが、勃起のメカニズムにも障害を来たします。
陰茎は海綿体、というスポンジ状の構造の中に血液を蓄えることで風船のようにパンパンに膨らませることができるので勃起できるのです。
海綿体に血液を送る動脈が動脈硬化の影響を受けると十全に陰茎へ血液が送れず勃起不全となります。

また、神経障害によってもEDが惹起されます。
男性の勃起は交感神経と副交感神経が絶妙なバランスでコントロールすることによって行われています。
そのため、自律神経系が障害されるとEDは起こるのですが、運動神経や感覚神経と比べても自律神経の線維はとても細く、神経を障害するような疾患では真っ先に障害されることも少なくはありません。
神経線維そのものが傷つけられる疾患として糖尿病などがあります。

腫瘍などの発生によって自律神経の線維が物理的に圧排されるために障害を生じる場合があり、勃起不全が特定の病変を示唆するわけではないため精査が必要です。
しかし、特に糖尿病は細い神経線維を障害することが知られ、また二次的に脂質異常症を引き起こすため動脈硬化や高血圧のリスクを抱えています、両者の危険性を知り、無関係だと考えないことが疑ってかかる第一歩です。

EDは早期発見・早期治療が鉄則です!

EDに気が付いたら病院にすぐかかって、そのEDの原因が何なのか、ということを医学的に調べる必要があります。
糖尿病によって神経や動脈の障害が生じている可能性が勿論ありますし、実はもっと命に係わる疾患が進行している危険性があります。
その最たるものは脳出血や脳腫瘍などの中枢神経疾患です。
EDなどの自律神経失調は何も末梢の線維が障害されることが原因で起こる場合だけではなく、神経に命令を載せている大本が障害される場合でも自律神経は障害され勃起不全は起こるのです。

とりわけ、脳出血や脳腫瘍はその形成機序や型によっても進行の速度は異なりますが、脳の健全な部位まで圧迫することによって障害してしまう、というところが恐ろしい点です。
自律神経障害だけにとどまらず、認知機能や記憶力の低下、果ては生命維持中枢が圧迫されることによる意識障害や呼吸抑制のために命にかかわります。
脳腫瘍は早期に手術すれば浸潤も少なく、後遺症も少ない状態での治療ができます。
脳出血であれば早期に血栓抜去や手術などの治療を行えば出血部位の周辺を虚血から救うことができるため、治療が後手に回った時と比べても非常に予後がよいことが知られています。

何より、こういった中枢神経症状は手術によって劇的に改善する可能性があり、神経線維が障害されている場合よりも性機能の回帰する可能性が高いと考えられます。
例え、糖尿病が原因のEDであっても早期治療に踏み切ることで網膜症や腎症の進行を抑え込むことができる場合があります。
そのため、EDという症状を甘く見ず、原因を精査することで原因疾患を明らかにしましょう。
EDを重く見ることで数十年後の自分が救われることになるかもしれません。